ブランク明けの練習場所に困ったら:ストリートピアノを賢く使う方法
ブランクを経て再びピアノを弾きたいと思っても、ご自宅にピアノがない場合、練習場所の確保は一つの課題となります。ピアノ教室に通ったり、スタジオをレンタルしたりといった選択肢もありますが、もっと気軽に、自分のペースで練習を始めたいと考える方もいらっしゃるかもしれません。
そんなとき、全国各地に設置されているストリートピアノが、練習場所として非常に有効な選択肢となり得ます。ここでは、ストリートピアノを練習場所にすることのメリットや、効果的に活用するためのヒントをご紹介します。
ストリートピアノを練習場所として活用するメリット
ストリートピアノは、演奏するだけでなく、限られた時間の中で集中して練習を行う場所としても利用価値があります。主なメリットは以下の通りです。
- 手軽さ: 予約不要で、設置場所のルールに従えば誰でも自由に利用できます。思い立った時に立ち寄って練習することが可能です。
- コスト: 多くの場合、無料で利用できます。ピアノ教室の月謝やスタジオレンタル費用と比べ、経済的な負担がありません。
- 本物のピアノ: 電子ピアノでは得られない、アコースティックピアノならではの響きやタッチで練習できます。
- 人前での練習機会: 適度な人通りがある場所を選べば、「誰かに聴かれるかもしれない」という意識が適度な緊張感を生み、集中力を高める効果や、本番に近い環境での練習効果が期待できます。もちろん、人目が気になる場合は、後述するような場所を選ぶことも可能です。
練習場所としてのストリートピアノの選び方
演奏目的の場合とは少し異なり、練習場所としてストリートピアノを選ぶ際には、いくつかのポイントがあります。
- 時間帯: 人通りが少ない早朝や夜間は、比較的落ち着いて集中できる時間帯です。ただし、設置場所によっては利用時間が限られているため、事前に確認が必要です。
- 場所の雰囲気: ショッピングモールや駅構内など賑やかな場所もあれば、図書館や地域のコミュニティスペースなど、比較的静かな場所に設置されている場合もあります。ご自身の集中しやすい環境を選びましょう。当サイトの設置場所情報では、場所の雰囲気について記載している場合もありますので、参考にしてください。
- 設置場所のルール: 演奏時間の制限(例: 1回5分、10分など)や、特定の目的での利用に関するルールがある場合があります。練習に利用する際は、決められた時間を厳守し、他の利用者がいれば快く譲ることが重要です。
ストリートピアノでの効果的な練習方法
限られた時間で効率的に練習するために、以下の方法を試してみてはいかがでしょうか。
- 練習する箇所を決めておく: 家で楽譜を見ながら、練習したい箇所や曲を絞っておきましょう。ストリートピアノの前に座ってから何をするか考えるのではなく、すぐに練習に取り掛かれる準備が大切です。
- 部分練習に集中する: 曲全体を通すよりも、苦手なパッセージや運指を確認したい箇所など、特定の数小節や数ページの練習に時間を使いましょう。
- 楽譜は事前に準備: 紙媒体やタブレットなど、見やすい形で楽譜を用意しておきましょう。譜面台が設置されていない場所もあるため、工夫が必要です。
- 録音・録画を活用: スマートフォンなどで自身の演奏を録音・録画することで、後から客観的に演奏を確認し、改善点を見つけることができます。ただし、周囲の迷惑にならないよう配慮し、施設によっては録音・録画が禁止されている場合もあるため、事前に確認してください。
- 目的意識を持つ: 「この5分でここのリズムを正確に弾けるようにする」「次の利用者が来るまでにこのフレーズの運指を確認する」など、短い時間の中でも明確な目標を持つことで、集中力が高まります。
利用上の注意点とマナー
ストリートピアノを練習場所として活用する際も、基本的なマナーを守ることが不可欠です。
- 利用時間の厳守: 多くの場所に設定されている1回あたりの演奏時間を守り、他の待ち時間がいる場合は速やかに交代しましょう。練習だからといって長時間占有することは避けてください。
- 音量への配慮: 公共の場所であるため、あまりに大きな音量や、同じ箇所を繰り返し弾きすぎることは、周囲の迷惑になる可能性があります。音量や繰り返し回数には配慮が必要です。
- 飲食の禁止: ピアノのそばでの飲食は、鍵盤や本体を傷める原因となりますので絶対に避けましょう。
- 共用物としての意識: ピアノは多くの方が利用する共用物です。大切に扱い、汚れなどをつけないよう注意しましょう。
まとめ
ストリートピアノは、発表の場としてだけでなく、ご自宅にピアノがない方が気軽にブランク中の練習を再開し、継続するための有効な手段となり得ます。人通りの少ない時間帯や場所を選んだり、練習箇所を事前に決めておくなど、工夫次第で集中して練習に取り組むことができます。
もちろん、周囲への配慮や決められたルールを守ることは大前提です。ストリートピアノを上手に活用して、再びピアノを弾く楽しみを見つけ、ブランクを克服する一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。